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地域密着型の親しみやすい授業で、人気に火がついた。 出張授業プロジェクト

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地域の小中学校に出向き、子どもたちの身近なテーマから、エネルギーや環境に興味を持ってもらう「出張授業」に、他社に先駆け早い段階から取り組んできた京葉ガス。04年に1校からスタートしたこのプロジェクトが、08年には年間68回も行うほどに成長した軌跡を追った。

  • 現出張授業担当 伊藤彰英さん 広報・経営品質推進室
  • 現出張授業講師担当 北川敏彦さん 総務部 管財グループ
  • 出張授業プロジェクト立ち上げ 米山典克さん 広報・経営品質推進室

パンフレットを配っても反響がない日々

「2004年に鎌ヶ谷の小学校から『エコ・クッキング』の依頼があったのが、出張授業を始めるきっかけでした」と話すのは広報経営品質推進室の米山典克。出張授業の立ち上げ責任者だ。

「小中学校で『総合的な学習の時間』が設けられると、エネルギー業界では出張授業を企画する企業が出始めました。依頼が来たのは、当社でもやらなければと思っていた矢先のことだったのです」何の準備もなかったが、断わればライバル企業にチャンスを奪われてしまう。そこで、広報の社員3人で、自ら授業を運営しようと決めた。

講師は京葉ガスで運営している料理教室の先生にお願いしたものの、エコ・クッキングの説明は女性社員の手作り紙芝居、当日は技術研修センターに応援を頼んで子どもたちをフォローした。

「反省も多かったけれど、出張授業はやるべきだと痛感しました。環境問題の話をすると、子どもたちが驚いたり夢中になって質問してくる。そんな姿を見るうち、エネルギー業界の一員として社会に役立つことをしていきたいと、全員が思ったんです」


早速「エコ・クッキング」「冷熱実験」「燃料電池」の授業ができるよう企画を練り、出張授業プログラムのパンフレットを作成。公立の小中学校に届けるため、教育委員会のメールボックスに配布した。一方で、私立の小中学校には直接訪問し営業活動も行う。

だが反響は予想に反して少なかったと、米山は振り返る。
「パンフレットが担当者に届かなかったり、訪問した時期が年間スケジュールを決めた後だったりと、学校現場のことを知らないがゆえの失態続きでした」


“手作り感”のある授業で間違いはなかった

手探りのままスタートしたプロジェクトであったが、05年は、わずか5校。しかし翌06年には、10校で15回と倍以上に増えた。

「増えた理由の一つには、出張授業そのものに対するニーズの増加という社会的背景がありました。しかしそれだけでなく、リピーターが増えているという確かな手応えも感じていたんです。そこで、京葉ガスの独自性を出せるような授業もやっていけたらもっと喜んでもらえるのではないかと、みんなで知恵を絞りました」
そして出たアイデアが「紙すき」の授業。不要となった事務用紙からできたパルプを使って、子どもたちがオリジナルのハガキを作るなかでリサイクルの大切さを知ってもらうという内容だ。

だがなぜ、ガス会社が「紙」なのか。「紙すき」の授業で講師を務めた総務部の北川敏彦は、環境に配慮する企業としての役割もあるのだと話す。
「当社では、不要になった紙を処分する際、『湿式シュレッダー』を利用しています。通常のシュレッダーと違い、これは処分した紙をパルプ状にして、再び紙にするので環境への貢献度が大きいのです。この『湿式シュレッダー』の発想を基にした『紙すき』を体験すると、子どもたちが楽しみながら紙のリサイクルを理解できるわけです」

総務部は、社内で環境問題に対する事務局的なポジションにある。総務部の社員は紙のリサイクルについて詳しいこともあり、広報から出張授業の講師を依頼されることが少なくない。「子どもたちが真剣に取り組んで、楽しんでいる姿を見ると、こちらまで嬉しくなる。講師を経験した人は、みんな講師のリピーターになってしまうんです(笑)」


「紙すき」が多くの学校で人気授業となったこともあり、07年には13校で23回、08年には27校で68回にも急増。

出張授業の専任としてほとんどの授業の講師を務める広報・経営品質推進室の伊藤彰英は、週3、4日は授業に出かけるほどの忙しさだ。
「今は “嬉しい悲鳴"といった状態ですが、これで満足だとは思っていません。当社のガス供給エリア内には約300の小中学校があるんです。ということは、9割も未開拓なんですよ」と、意欲をみせる伊藤。

体制を整えるのが私の役目という米山は、「部署を横断しての参加や、OB・OG社員のセカンドライフの活躍の場としても活用させたいと考えています。京葉ガスの誰もが自由に参加できる仕組みを整え、地域密着企業としての役割を果たしていきたいですね」と今後の構想を話す。


最後に伊藤が、出張授業を通じて得たやりがいを教えてくれた。
「京葉ガスは、大きなイベントでドンと仕掛けるようなやり方は不得手です。
でも地域に密着してコツコツといい関係を築いていくのは、ライバル他社のどこにも負けないという自負がある。先日、他校に異動した先生からも依頼をいただいたのですが、そんなときに『このやり方でよかったんだ』と、あらためて喜びを感じるんです」

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